秋に日本列島を南下する渡りチョウのアサギマダラが、香川県観音寺市木之郷町の「木之郷フジバカマ園」に飛来した。フジバカマはチョウが花の蜜を好む秋の七草の一つで、「一株オーナー」らの観察会も開かれ、80人が優雅に舞うアサギマダラを写真に収めたり、交流を楽しんだりした。今月いっぱいは花の周りを飛び交う姿を見られそうという。


アサギマダラを至近距離で写真に収める観察会の参加者=香川県観音寺市木之郷町、木之郷フジバカマ園

アサギマダラを至近距離で写真に収める観察会の参加者=香川県観音寺市木之郷町、木之郷フジバカマ園


 アサギマダラは体長約10センチの大型のチョウで、春と秋に日本と台湾を往復し、約2千キロを旅するといわれる。
 同園は市総合運動公園の南方に位置するアサギマダラの飛来の名所。見守り活動に取り組んでいる「有明浜の海浜植物とアサギマダラ飛翔(ひしょう)会」の会員で、近くに住む太田晴夫さん(70)が、約900平方メートルで600株ほどのフジバカマなどを育てている。


木之郷フジバカマ園に集まったフジバカマの一株オーナーら

木之郷フジバカマ園に集まったフジバカマの一株オーナーら


 太田さんによると、今秋に初めて飛来を確認したのは10月8日で、昨年より1週間ほど遅かった。日ごとに個体数が増えており、18日午前には15匹ほどが群舞した。
 一株オーナーの募集は、チョウが海を越えて飛んでくる感動を大勢の人に味わってもらおうと2021年に始め、今年は約100人が春にフジバカマの株を名札を付けた区画に植栽。飛来の時季に合わせた観察会は14日にあり、オーナー60人と一般参加の20人が集まった。
 訪れた人たちは白い花の近くをひらひらと舞うアサギマダラを見つけると、「とまって」などと声をかけながらシャッターチャンスをうかがった。
 同園は自由に見学でき、気温が低い午前中が多くの個体と出合いやすい。

(四国新聞・2023/10/19掲載)



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