笠置シヅ子、身近に ブギウギ楽譜や写真 古里・東かがわで資料展 地元児童を励ます手紙も
香川県東かがわ市引田の市歴史民俗資料館で、同市出身の歌手で俳優の笠置シヅ子（1914～85年）にスポットを当てた特別展が開かれている。大ヒット曲「東京ブギウギ」などで戦後の日本を明るくしたスターである一方、故郷を大切にしたことが分かる資料などが並び、来館者は「ブギの女王」と呼ばれたシヅ子の在りし日の姿を思い浮かべながら見入っている。12月28日まで。
笠置シヅ子について理解を深められる資料が並ぶ特別展＝香川県東かがわ市引田、市歴史民俗資料館
シヅ子をモデルとして放送中のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」に合わせ、同館がシヅ子やシヅ子ゆかりの人などをさらに知ってもらおうと企画。前期（11月13日まで）、後期（同15日スタート）の2期制に分けて開催し、前期は55点の資料を展示する。
会場には、シヅ子直筆のサインが入ったハンカチやブロマイド写真などを展示。シヅ子と同じ相生地区出身で、戦後初の東大総長を務めた南原繁（1889～1974年）の歌碑が旧相生小に完成したのを記念し、シヅ子が自身の後援会長も務めてくれた南原への感謝をつづり、児童に南原のような立派な人になるよう励ました手紙「児童の鑑（かがみ）」（額入りサイズ縦約30センチ、横約1・1メートル）もある。
このほか、ハマチ養殖発祥の地、安戸池（同市引田）で娘を釣れてハマチ釣りを楽しんでいる写真や、シヅ子が亡くなった後、葬儀の参列者への返礼品となったタオル、東京ブギウギの楽譜、出演映画の台本なども出展。古里の相生地区の風土や歴史が分かる資料も並んでいる。
同館は「展示を通して、戦後のスターでありながら生まれた古里を慈しみ、気にかけていたシヅ子の温かさなどを感じてもらえたら」としている。
入館無料。開館時間は午前9時～午後5時（火曜休館）。後期は数点程度、展示内容を入れ替える。問い合わせは同館0879-33-2030。
（四国新聞・2023/10/19掲載）