カリンPRへ新商品 まんのうの企業など3種類 生チョコ、粉末飲料、ジェラート 29日、かりんまつりで試食会
香川県まんのう町特産の果物・カリンを使った新商品の発表会が24日、同町役場であり、町の依頼を受けた町内の企業などが生チョコレート、粉末ドリンク、ジェラートの3商品を披露した。29日の町かりんまつりで試食品を提供、好評なら「カリンのトリコ」の統一ブランドで売り出す計画。町は「おいしい商品が完成し、カリンの魅力発信に大いに期待している。ふるさと納税の返礼品にも検討したい」としている。
カリンは、弘法大師空海が中国から持ち帰ったと伝わる果物。1984年に旧満濃町の町木に選定、まんのう町に移行後も町のシンボルとしてアピールしてきたが、生食ができないことなどから、振興に苦戦している。
町は、昨年9月に菓子大手ロッテと連携協定を締結し、認知度拡大に着手。本年度は地元小学校でカリンについて学ぶ授業を行うとともに、町内の企業などにカリンを使った新商品の開発を呼びかけた。開発に関しては、ロッテもカリン加工品の調達などで協力した。
サニーサイド(同町)の生チョコレートは、同社でカカオ豆から作ったチョコレートに、カリンシロップやペースト、町特産のひまわりオイルを使用。酸味と果実感の強いインドネシア産カカオとカリン、ナッツ感の強いひまわりオイルがうまくマッチした。
味源(同町)の粉末ドリンクは、同社の既存の商品である黒糖生姜(しょうが)パウダーに、カリンパウダーや香料を配合。ショウガの辛みに黒糖のうま味、カリンのすっきりした味わいを楽しめるようにした。
ジェラートはオッティモ(高松市)が開発。カリンパウダーやカリン濃縮液、香辛料のキャラウェイシードでさわやかな香りや酸味を出すとともに、カリンらしい苦みをあえて少し残し、大人向けのジェラートに仕上げた。
29日午前10時からは、国営讃岐まんのう公園で開催する町かりんまつりで、3商品とロッテの「のど飴(あめ)」の無料試食会を開く。各商品とも500食限定。生チョコと粉末ドリンクは、試食会などの反応を踏まえて一般販売を目指す。ジェラートは11月から、オッティモの店頭で販売する。
地元生産者会の田中阿佐実副会長は「加工技術の進歩や各企業の協力のおかげで、以前なら不可能だった商品が完成した。本当にうれしい」と喜んだ。
(四国新聞・2023/10/26掲載)