江戸時代の高松における庶民の日常にスポットを当てた企画展「近世高松の24時間」が、同市昭和町の市歴史資料館で開かれている。生活にまつわることが記された古文書などを通して、当時の人々の暮らしぶりを今に伝えている。19日まで。


江戸時代の庶民の暮らしぶりが分かる古文書などが並ぶ企画展=香川県高松市昭和町、市歴史資料館

江戸時代の庶民の暮らしぶりが分かる古文書などが並ぶ企画展=香川県高松市昭和町、市歴史資料館


 今展では、古文書を中心とした初公開品を含む約70点を「高松の一日と一生」「町」「村」など5章に分けて紹介している。
 展示品のうち、当時の暮らしを読み解くのに欠かせない「御用留(ごようどめ)」は、幕府や藩から伝えられた伝令などを書き留めた帳面。防犯・防火のため設置していた木戸の修繕命令や、お盆を過ぎてから催しとしての踊りの開催を禁止することなどが記されている。
 旧鹿角村の民家から見つかった1765(明和2)年~1866(慶応2)年の香典帳は初公開品。受け取った物の種類や数、金額、送ってくれた人の名前や住所などが書かれている。相手に同様の不幸があった場合、これを参考にして同じだけの香典を贈っていたことが判明したそうで、現在と通じる慣行があったことが読み取れる。
 女木島の庄屋が島の若者に、煙管(きせる)をくわえたまま歩くことの禁止などを申し渡した10カ条が記載された「若者御仕置帳」や、明治時代を迎え混乱する世間の様子が伝わる手紙などもあり、当時の生活を間近に感じられる。
 担当学芸員の平野文香さんは「聞いたことのある地名などもあると思うので、現在の暮らしを念頭に置きながら見てもらえれば」と話している。
 入場料は一般200円ほか。問い合わせは同館、電話087-861-4520。

(四国新聞・2023/11/09掲載)


高松市歴史資料館



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