「城泊」来年７月開始 太鼓出迎え・天守ラウンジ 体験基本メニューも示す 丸亀市方針
丸亀市は13日、香川県丸亀市一番丁の丸亀城三の丸にある延寿閣別館で宿泊客を受け入れる「城泊」について、来年7月開始を目標とする方針を明らかにした。大手門で太鼓を打ち鳴らして宿泊客を出迎え、夕食後に天守で酒類を提供してバータイムを楽しんでもらうなど1泊2日の基本メニューも示した。年間30組程度の受け入れを目指し、同5月にも予約受け付けを始める。
城泊事業で使われる改修前の延寿閣別館（資料）
城泊は外国人観光客らの満足度向上を図る取り組みで観光庁などが推進。市は本年度の当初予算に耐震補強工事や庭園改修の経費約2億円を計上して準備を本格化しており、9月定例議会では1人1泊60万円（税別）を宿泊料の上限とする関係条例も制定した。
1泊2日の基本パッケージはJR丸亀駅から人力車で城へ移動し、大手門で太鼓の演奏後、延寿閣別館で伝統工芸士と丸亀うちわの製作を体験。夕食は地域の食材を使った特別メニューを京極家の家紋入りお膳で提供し、夕食後の「ナイトラウンジIN天守」で特別な雰囲気を感じてもらう。2日目も大名庭園の中津万象園の庭園散策や煎茶体験などを盛り込む。
チェックイン時の甲冑（かっちゅう）体験や天守での和楽器演奏などさまざまな追加オプションを設けるほか、基本パッケージ以外に野菜や果物の収穫体験や瀬戸内海クルーズなど多彩なオプションツアーを用意し、地域経済への波及効果を高める。
市観光協会が運営し、天守と大手一の門も指定管理者として一体的に活用。宿泊料収入は2人1組の32泊分に相当する年間4260万円を見込んでいる。
13日の市議会教育民生委員会協議会で市が概要を説明。調度品購入や間接照明の整備など関連経費4500万円を12月定例議会に提出する2023年度一般会計補正予算案に盛り込む見通しも示した。
（四国新聞・2023/11/14掲載）