新年へ本尊清らかに 総本山善通寺で「お身ぬぐい」
香川県善通寺市の総本山善通寺(菅智潤法主)で11日、金堂(本堂)の本尊・薬師如来坐(ざ)像の「お身ぬぐい」が行われた。作務衣(さむえ)姿の僧侶らが、はたきやはけで1年分のほこりやすすを払い落とし、新年を迎える準備を進めた。
仏像を清らかな姿にして初詣客を迎えようと、毎年12月に実施している。本尊は仏師・北川運長が江戸前期の1700年に制作した木像で、1558年の兵火で焼けた寺創建当初の本尊を再興したもの。台座や後方の光背を含めた高さは6・5メートルある。
お身ぬぐいには、長谷川恵淳執行(しぎょう)ら約10人が参加。像の左手や、疫病を治す薬が入っている薬壺(やっこ)を取り外した後、像の膝の上に立って、長さ3メートルほどの特製のはたきで光背のほこりを払った。顔周りや法衣のしわ、手の指などの細部は、小さなはけで丁寧に汚れを落とした。
長谷川執行は「弘法大師空海御誕生1250年に当たる今年は、特にたくさんの人にお参りいただいた。来年も多くの人に来ていただけたら」と話した。
同寺では元日午前0時から、新年最初の法要「修正会(しゅじょうえ)」を営むほか、空海の誕生1251年にちなみ年明けうどん1251食が振る舞われる。
(四国新聞・2023/12/12掲載)