金刀比羅宮

 香川県仲多度郡琴平町の金刀比羅宮(琴陵泰裕宮司)で13日、年の瀬恒例の「すす払い」が行われた。神職らが特製のササぼうきなどで1年間の社殿の汚れをきれいに取り除き、新年を迎える準備を進めた。


ササぼうきで社殿のほこりを払い落とす神職ら=香川県仲多度郡琴平町、金刀比羅宮

ササぼうきで社殿のほこりを払い落とす神職ら=香川県仲多度郡琴平町、金刀比羅宮


 「正月事始め」に当たる毎年12月13日に実施している。これまでは午前0時から始めていたが、暗いため汚れの見落としがあり、日中に再度清掃していた。作業効率化のため、今回初めて午前9時からに変更した。
 すす払いには神職や巫女(みこ)ら約10人が参加。本宮での神事に続き、長さ7メートルほどのササぼうきで軒や天井のほこりを払い落としたり、御扉(みとびら)や御簾(みす)の汚れを布で丁寧に拭き取ったりした。一日かけて計15カ所の社殿を清めた。
 年末にかけて、大しめ縄のかけ替えや新年の神事に使う鏡餅の餅つきなど迎春準備が続く。元日午前0時からは新年最初の祭事である歳旦祭が営まれるほか、限定お守りなどの授与が始まる。
 同宮によると、新型コロナウイルスが5類に移行した5月以降、国内外を問わず多くの人が訪れており、来年の正月三が日はコロナ前に近い50万人の参拝を見込んでいる。


金刀比羅宮


丸亀城

 正月を迎える準備に取りかかる「事始め」の13日、香川県丸亀市一番丁の丸亀城で国重要文化財の天守と大手門の1年の汚れを落とす「すす払い」が行われた。市観光協会の職員らが長さ約4メートルの竹のほうきを使い、壁や軒下にたまったほこりを取り除いた。


竹のほうきで1年間の汚れを落とす職員ら=香川県丸亀市一番丁、丸亀城

竹のほうきで1年間の汚れを落とす職員ら=香川県丸亀市一番丁、丸亀城


 すす払いは同協会が2006年から毎年取り組んでいる恒例行事。今年は協会職員と丸亀城お笑い人力車芸人の大木亀丸さん(44)の計5人が天守、大手一の門、同二の門の順に、ほこりやクモの巣などを丁寧に落としていった。
 天守の今年の入館者数は11月末現在で11万5702人で、昨年1年間の10万4238人を既に上回っている。24年は三の丸の延寿閣別館で宿泊客を受け入れる「城泊」が始まり、天守内部も建物本来の魅力が感じられるように展示替えを計画しており、同協会の山田哲也事務局長は「より多くの人に貴重な現存木造天守を楽しんでもらえれば」と話している。
 城内の大手門広場では元日の午前10時から正午まで「元旦おもてなし」と銘打ち、あめ湯の接待や大木さんの新年初笑いライブを行う。問い合わせは同協会0877-85-5852。


丸亀城


(四国新聞・2023/12/14掲載)


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