善通寺市などは25日、総本山善通寺で約20年前まで行われていた「はだか祭り」を、来月の同寺大会陽(だいえよう)で限定復活させると発表した。ふんどし姿の男たちが宝木(しんぎ)を奪い合う形は踏襲するが、危険行為を防ぐため、事前に登録した50人程度によるデモンストレーション方式とする。


はだか祭りのデモンストレーション開催をPRする辻村市長(右端)ら=善通寺市役所

はだか祭りのデモンストレーション開催をPRする辻村市長(右端)ら=善通寺市役所


 祭りは、毎年2月に行われる大会陽のメイン行事として2001年まで行われていた。400年の歴史があるとされ、約2千人が宝木を奪い合う「福奪(ふくばい)」は讃岐路に春を呼ぶ風物詩となっていた。しかし暴力行為の問題化で争奪戦を中止、お練りに形を変えたが、03年を最後に祭り自体が休止されていた。
 大会陽は2月24、25日の2日間、同寺と善通寺商工会議所、市で組織する委員会が4年ぶりに開催。かつてのはだか祭りは夜だったが、デモンストレーションは25日昼に行い、五重塔から投下した宝木を奪い合う様子を見せるほか、同寺周辺を練り歩く。参加者は、青年会議所や陸上自衛隊などの有志に声かけしており、一般公募はしない。
 はだか祭りに毎年参加していた辻村市長は「寒い中をふんどし姿で奪い合う勇壮さが魅力。こんな伝統行事が市にあることを伝えたい」と話している。
 大会陽では24日に宝木の加持祈祷(きとう)会、25日は大鏡餅を運ぶ力餅競技や五重塔からの稲穂投げ、ゆるキャラ大行進、露店・植木市なども予定している。

(四国新聞・2024/01/26掲載)



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