女性をモチーフにした絵画に焦点を当てた企画展「女性を描く」が、香川県高松市塩江町の市塩江美術館で開かれている。熊野俊一、江戸健ら郷土ゆかりの画家4人がそれぞれの感性で仕上げた女性の表情や姿から、「女性らしさとは何か」を問いかける空間が広がっている。2月4日まで。


女性をモチーフにした絵画が並ぶ企画展=香川県高松市塩江町、市塩江美術館

女性をモチーフにした絵画が並ぶ企画展=香川県高松市塩江町、市塩江美術館


 作家は熊野(1908~94年)=同市出身=、小林正六(17~2006年)=同=、江戸(1927~2017年)=丸亀市出身=、小西嘉純(1920~2004年)=琴平町出身=の4人で、同館コレクションからデッサンや水彩画、油彩画の計32点を展示。作家によって表現が異なる女性像を通して、人間の本質を再考する機会にしてもらおうと企画した。
 生涯で抽象画を多く手がけた江戸の「裸婦デッサン習作(1)」は、女性の内面からあふれ出る力強さを鮮やかな色彩で表現。小西の大作「水汲(く)みの女等」は、働く女性たちのごつごつとした手足や黒々と光る目力が存在感を放っている。
 一方で、熊野の作品は舞妓(まいこ)やバレリーナらの何げない表情を切り取ったかのような水彩画やデッサンが中心。小林はメルヘンな世界観の中に子どもや大人の女性を描いており、画家一人一人の視点からさまざまな女性像がうかがえる。
 入場料は一般300円ほか。問い合わせは同館、電話087-893-1800。

(四国新聞・2024/01/29掲載)


高松市塩江美術館



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