香川県東かがわ市引田の古いまち並み一帯で28日、引田ひなまつり(同実行委主催)が開幕した。今年も桃の節句の時季を彩るように一帯の民家や商店など約60軒に趣向を凝らしたひな飾りが並び、家族連れらが華やかな展示をじっくりと楽しんでいる。3月3日まで。


民家や商店などに多彩なひな飾りが並ぶ「引田ひなまつり」=香川県東かがわ市引田

民家や商店などに多彩なひな飾りが並ぶ「引田ひなまつり」=香川県東かがわ市引田


 まつりは今年で22回目。延長約1・5キロの古いまち並み一帯が会場となり、商店や民家の軒先や玄関、居間などに多種多彩なひな飾りが設置されている。
 今回は放送中のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」のモデルとして脚光を浴びる同市出身の歌手で俳優の笠置シヅ子(1914~85年)にちなんだ飾りも登場。シヅ子の出身歌劇団のパフォーマンスをモチーフとし、地域住民が華やかに装飾した傘を持った市松人形が並んだもので、讃州井筒屋敷の母屋などに展示されている。
 会場の一つ「煙突広場」には地元の引田小学校の児童が飾りつけを手伝ったひな飾りを設置。近くには地元のこども園の園児が仕上げた手作りのひな人形もある。
 来場者はマップを手に家族や友人らと一緒に風情の残るまち並みを歩き、ひな飾りを見つけては観賞。さぬき市志度の多田晴菜さん(23)は「一度にたくさんのひな飾りを見ることができて楽しい」と笑顔を見せていた。
 期間中、3月2、3日を中心にリコーダーや琴の演奏、子どものダンスショーなど多彩な関連イベントを実施。2日はまち並みに行灯(あんどん)が設置され、夜間の幻想的な雰囲気の中でひな飾りを楽しめる「宵雛(よいびな)まつり」(日没から午後8時半まで)もある。
 イベントは原則、午前10時~午後4時。旧引田小グラウンドなどに駐車場(運営協力金として1台300円)を用意している。期間中、JR四国は引田駅に臨時停車する特急を設けるほか、大川バスは復路の運賃を半額にする。

(四国新聞・2024/02/29掲載)



関連情報