緻密な線で心象風景を描く香川県善通寺市の画家杉本羽衣(うい)(38)の個展が、高松市塩江町の高松市塩江美術館で開かれている。心に残った景色や日常生活で感じたことを表現したペン画26点が並び、想像をかき立てるような空間が広がっている。31日まで。


長女を抱いて作品を解説する杉本=香川県高松市塩江町、高松市塩江美術館

長女を抱いて作品を解説する杉本=香川県高松市塩江町、高松市塩江美術館


 杉本は2011年に多摩美術大大学院を修了後、ドイツに2年間留学。帰郷後は県内外で個展やグループ展を開いている。「生きるバランス」と題した今展は、2児の母でもある杉本が「子育てと作家活動のバランスの取り方に葛藤しながらも前に進んでいく姿勢を表した」という。
 高校時代に始めた絵日記をきっかけにペン画を手がけるようになり、その日見た風景や夢、出来事などを抽象的に描いた「う・つ・つ」シリーズを展開。今回は、16年から今年にかけて制作した作品を中心に紹介している。
 会場には海洋生物や植物、メロディー、雲の形などからイメージを膨らませたペン画を公開。ドローイング用ペンやアクリルガッシュで下書きなく仕上げており、作家の生き生きとした感性がうかがえる。杉本は「作品名をキーワードに自由に想像しながら鑑賞してほしい」と話している。
 20日午後2時から杉本の作品解説がある。入場料は一般300円ほか。問い合わせは同館、電話087-893-1800。

(四国新聞・2024/03/07掲載)


高松市塩江美術館



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