25.4ヘクタールの広大な敷地にアスレチックやキャンプ場、スポーツ施設などを備えるみろく自然公園(香川県さぬき市大川町)。四季折々の草花も楽しめるとあって市民の憩いの場となっている。今年も徐々に気温が上がり春らしくなってきた。散策を楽しもうと公園に出かけてみた。


ピンクのツバキの花と青空のコントラストが目を引く=香川県さぬき市大川町、みろく自然公園

ピンクのツバキの花と青空のコントラストが目を引く=香川県さぬき市大川町、みろく自然公園


 公園は讃岐山脈の北側の麓に位置する。名前の由来になった園内にある周囲1・7キロの「弥勒(みろく)池」は、池の底から弥勒菩薩(ぼさつ)石像が出土したことにちなんで名付けられたという。
 取材で足を運んだ3月中旬、駐車場のそばにある「ちびっこ広場」沿いではクリスマスローズが見頃を迎えていた。華やかな名称でありながら、うつむくようにやや下向きにピンクや白の花を咲かせているのが愛らしかった。4月初旬まで楽しめるそうだ。


うつむくようにして咲くクリスマスローズ

うつむくようにして咲くクリスマスローズ


 続いて弥勒池沿いにある「ツバキの半島」へ。園によると、園内では多彩な品種のツバキを計約2千本育てており、冬から春にかけて園内各所で順次、花を咲かせるという。
 ツバキの半島には先端までの約100メートルにわたってツバキが植栽されている。かわいらしいピンク色の花が道の周辺を彩り、写真に収めるとツバキと空の色のコントラストが絵画のよう。鳥のさえずりも相まって春の足音が聞こえてくるようだった。3月下旬からは赤色の大きな花がつく品種も楽しめるという。
 レジャーにぴったりなこれからの季節、ログハウスなどがあるキャンプエリアが家族連れらでにぎわう。そのエリアへ向かうと、まず目に入ったのが入り口付近の地面の所々から出ているこぶのようなもの。この「沼杉の森」では、ラクウショウ(別名ヌマスギ)の「呼吸根」と呼ばれる特徴的な根を見ることができる。
 近くにある「弥勒石穴」は国指定登録有形文化財。弥勒池の貯水量増加のために建設された導水路の一部で、1857(安政4)年に完成した約190メートルの隧道(ずいどう)だ。園内には弥生・古墳文化時代の出土品などが展示されている市歴史民俗資料館もあり、公園では自然だけでなく歴史にも触れられる。
 園指定管理者「市SA公社」の長町貴志さんは「年間を通して花が見られるほか、遊具やアスレチックコースもある。幅広い世代が一日楽しめるのスポットなのでぜひ来て」とアピールした。
 23日から4月初旬まではイベントドーム周辺でサクラのライトアップが行われる。

(四国新聞・2024/03/23掲載)



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