動植物、色彩豊かに 場面緘黙症の画家SANAMIさん 中津万象園で作品展 来館イベントも
「場面緘黙(かんもく)症」という特性のある画家SANAMIさん(28)=滋賀県出身=の作品展「心のかけら」(中津万象園保勝会主催)が、香川県丸亀市中津町の中津万象園・丸亀美術館で開かれている。独特の色彩感覚で描かれた動物や、黒画用紙にボールペンで細部まで丁寧に描いた鳥など約60点を紹介。ペン画や水彩画、1日1枚描き続ける絵手紙など多彩な作品が楽しめる。5月19日まで。
SANAMIさんは幼少期からみんなとコミュニケーションを取りたいという気持ちを持ちながらも、家族以外の人の前では非常に緊張して体がこわばり、言葉が出なくなってしまう場面緘黙症の症状を持ち、絵は小学生の時に独学で描き始めた。
今回の作品展では近作を中心に紹介。ゾウ、ライオン、ニワトリ、キジ、チョウ、ミツバチ、ヒマワリなどと動植物をモチーフにした作品が多く展示されており、ホンシャクナゲに「この場所が好きだから この場所に咲こう」、アサガオに「上を向けて手を広げ 自分の色で咲いた」といった具合に絵に言葉を添えた作品も特徴的。
滋賀県以外での個展は初開催となり、「人には言えない感情も人に言いたいけれど、うまく伝わらない時も紙が受け止めてくれる。私がつくった心のかけらたちを見に来てください」とメッセージを寄せたSANAMIさん。30、31日と5月18、19日には本人が来館し、制作の様子なども公開する予定。
水曜休館。開館時間は午前9時半~午後5時。所定の観覧料が必要。問い合わせは中津万象園・丸亀美術館、電話0877-23-6326。
(四国新聞・2024/03/28掲載)