写真家のホンマタカシが、香川県庁舎東館(旧本館・東館)など建築家丹下建三が手がけた建築物を撮影した作品を紹介する写真展が、香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開かれている。丹下建築の特徴を捉えた独自のアングルが来場者の興味を誘っている。4月14日まで。


丹下建築の特徴を捉えた作品が並ぶ写真展=高松市玉藻町、県立ミュージアム

丹下建築の特徴を捉えた作品が並ぶ写真展=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 ホンマは1962年東京生まれ。99年に写真の芥川賞とも言われる木村伊兵衛写真賞を受賞した。今展では、ホンマが2013年に撮り下ろした7点を展示している。
 県庁舎旧本館を斜めから写した写真は、はりなどの配置から五重塔を思わせる同館の特徴が際立っている。県庁ホールを撮影したものは、後藤塗りの朱色の扉や白と青の引き戸、インテリアデザイナーの剣持勇が担当した椅子が1枚に収まっており、画角を試行錯誤したことがうかがえる。
 広島平和記念資料館(広島市)と東京カテドラル聖マリア大聖堂(東京都文京区)の写真もあり、さまざまな表情を見せる丹下建築の一端を伝えている。担当学芸員の日置瑶子さんは「丹下氏の建築への思いが伝わる作品が並んでおり、過去と現在をつないでいるよう。見て何かを感じてもらえれば」と話している。
 一般410円ほか。3月30日午後1時30分から展示解説がある。問い合わせは香川県立ミュージアム、電話087-822-0247。

(四国新聞・2024/03/29掲載)


香川県立ミュージアム



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