手軽な移動手段として注目される電動キックボードのシェアリングサービスの実証実験が4日、香川県高松市で始まった。行政と民間が連携して地域社会のデジタル化を目指す「かがわDX Lab(ラボ)」の事業で、四国では初の試みという。通勤・通学や観光客らの利用を見込む。マイナンバーカードを活用することで利用実態を分析し、事業化に役立てる。実験期間は6月4日までの2カ月間。


実証実験に使用される電動キックボード=香川県高松市浜ノ町、JR高松駅前


 ラボは、デジタル技術で社会を変革させる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を香川で推進するため、2023年度に本格始動。分野ごとにワーキンググループを設けて活動しており、今回の実証実験は、観光振興や移住促進を目指す穴吹ハウジングサービス(高松市)などのグループが行う。
 貸し出しや返却ができる専用駐輪場は、JR高松駅前や高松港旅客ターミナルビル、栗林公園近くのコインパーキングなど7カ所に設置し、計30台を運用する。基本料金は330円で、10分利用するごとに110円加算される。
 利用者は実証実験用のLINE公式アカウントと友達登録をした上で、専用アプリでマイナンバーカードを登録。居住地や年代などに応じて利用料金の割引クーポンなどが提供される。
 利用時にマイナンバーカードを使うことで、利用者が県民か観光客かといった属性を把握。収集したデータを使って、各駐輪場の利用実態の分析などを行う。
 運営主体となる穴吹ハウジングサービスの担当者は「駅や宿泊施設からそれぞれの目的地までの『ラストワンマイル』を補完する移動手段として活用してもらえれば」と期待した。
 電動キックボードを巡っては、昨年7月に改正道交法が施行。16歳以上であれば免許不要で、原則車道を走行する。16歳未満の運転は禁止。ヘルメット着用は努力義務とされている。

(四国新聞・2024/04/05掲載)


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