香川県さぬき市多和の四国霊場88番札所・大窪寺近くのシダレザクラが見頃を迎え、咲き誇るピンク色の花が山里にも春の訪れを告げている。今年は4年に一度のうるう年で、四国霊場を逆回りの「逆打ち」で巡ると功徳が増すとされ、出立の地を訪れたお遍路さんや家族連れらを癒やしている。


見頃を迎えて咲き誇るシダレザクラ=香川県さぬき市多和

見頃を迎えて咲き誇るシダレザクラ=香川県さぬき市多和


 シダレザクラは同寺門前にある食堂「八十八庵」の駐車場脇と徒歩5分ほどの山の斜面で咲いている。花が好きだった先代店主(故人)が45年ほど前から少しずつ植栽したもので、現在は2カ所合わせて約25本ある。
 現店主の井川義雄さん(73)によると、今年は3月末ごろから少しずつ咲き始め、ここ数日の気温の上昇で一気に開花した。
 時折、穏やかな春の陽光が差し込んだ4日は、お遍路さんや家族連れらが次々と訪れた。花は八分咲きで、3度目の巡礼をスタートさせた愛媛県宇和島市の自営業百合田千鶴さん(57)は母と伯母の3人で同寺に参拝し、「美しい桜に出合えて早速、逆打ちのご利益があった。これから先も無事に回れそう」と笑顔を見せた。
 花は12日ごろまで楽しめる見込み。

(四国新聞・2024/04/07掲載)



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