離島で“幸せを運ぶ花”競演―。丸亀沖に浮かぶ二つの島で、桃と桜が美しい花を咲かせている。小手島では紅白に色づいた桃が山肌を彩り、広島ではピンク色の花びらを付けた桜の姿がハート形を形成。島の住民や訪れる人の心を和ませている。


小手島で紅白に色づいた桃(5日撮影)

小手島で紅白に色づいた桃(5日撮影)


人にも楽しんでもらえたら」と、約30年前から山道や斜面の至る所に苗木を植樹し、今では知る人ぞ知る桃の名所となっている。
 紅白の花が満遍なく咲く木があれば、濃い赤い花の間にひっそりと白い花をつける木も。割合はまばらだが、岡田さんは「それも美しくて面白い」と魅力を口にする。


丸亀沖の広島でハート形に花を付けた桜(7日撮影)

丸亀沖の広島でハート形に花を付けた桜(7日撮影)


 小手島に咲く桃は、一本の木に紅白の花が入り交じって咲く「源平桃」。地域住民の岡田薫夫さん(83)が「自分も楽しみ、島に来た
 広島の“ハート桜”はオオシマザクラで、江の浦港から王頭山に向かう道沿いにぽつんと立っている。10年ほど前、住民が苗木を植えたものが成長したが、島の人たちはこれまで何げなく通り過ぎていたという。
 特徴的な形に気付いたのは、昨年、島に移り住んだ佐々原悠馬さん(22)。夏の青葉や秋の紅葉シーズンに木全体がハート形に見え、「今年、花が咲いたらどうなるのか楽しみにしていた。期待通りだった」と笑う。
 小手島の桃、広島の桜とも満開は過ぎて散り始めたが、岡田さんは「もうしばらくは見られるかな」、佐々原さんは「冬以外はきれいなハートの形を楽しめる」としている。

(四国新聞・2024/04/10掲載)


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