弥生時代の営み伝える 絵画土器など70点展示 来月17日まで・香川県埋文センター
香川県坂出市府中町の県埋蔵文化財センターで、県内で出土した弥生時代の土器などを紹介する収蔵品展「分銅形土製品と絵画土器」が開かれている。江戸時代の分銅の形に似ていることから名付けられた「分銅形土製品」と、動物などが描かれた「絵画土器」が並び、当時の人々の営みを今に伝えている。5月17日まで。
弥生時代の暮らしや地域の交流に理解を深めてもらうのが目的。展示品はいずれも祭祀(さいし)の道具とされ、善通寺市の旧練兵場遺跡をはじめ県内一円で発掘されているほか、岡山県や近畿地方でも見つかっていることから、近隣地域の間で活発な交流があったことが考えられるという。
会場では出土品約70点と解説パネルを展示。このうち分銅形土製品は、無数の細い線や穴で文様をあしらったもののほか、人の顔を立体的に表したユニークなものが並ぶ。
絵画土器はつぼの破片を紹介しており、シカなどの動物を象徴的に描いたり、高床建物とみられる建築物を描き込んだりと、さまざまな描写が見て取れる。同展担当者は「当時、実際に見たものを平面上に描き写せた人はごく少数で、これらは祭祀など特別な機会に使われたと考えられる」と話している。
(四国新聞・2024/04/11掲載)