こいのぼり悠々 菜の花と“競演” 小豆島・二十四の瞳映画村
香川県小豆郡小豆島町田浦の二十四の瞳映画村に、同町出身の作家・壺井栄(1899~1967年)の代表小説「二十四の瞳」にちなんだ12匹のこいのぼりが掲げられている。満開を迎えて黄色く染まった菜の花畑の上で、潮風を受けて春空を悠々と泳ぐ様子に、観光客らが見入っている。5月6日まで。
こいのぼりは「子どもたちが逆境に耐え、立派に成長するように」との願いを込めて1990年から毎年、5月の端午の節句に向けて掲揚。小説の中で、大石先生と12人の子どもたちが触れ合う場面を表現した銅像「せんせ あそぼ」の近くの花畑に竹ざおを4本立て、男児5人、女児7人に見立てた、まごい5匹、ひごい7匹を飾り付けている。
こいのぼりの下には約2200平方メートルの菜の花畑が広がり、約3万5千本が満開となっている。神戸市からカップルで訪れていた会社員、野口仁さん(25)は「こいのぼりも菜の花も色合いが鮮やかで、全身で春を感じる」とにっこり。柴菜花(なのは)さん(22)は「肌寒い日が続いていたのを忘れさせるくらい暖かな色合い。気持ちが和む」と話していた。
こいのぼりは、雨天や強風の日を除いて毎日掲揚する。菜の花の見頃は今月下旬ごろまでの見通し。
(四国新聞・2024/04/11掲載)