老朽化している香川県仲多度郡多度津町の海岸寺大師堂の修復を支援しようと、国際的に活躍するサヌカイト奏者土取利行さん(同町出身)が19日、香川県高松市のサンポートホール高松でチャリティーコンサートを開く。フランスを代表するチェロ奏者エリック・マリア・クテュリエさんと共演し、故郷への思いとともに独創的な音色を響かせる。


土取利行さん

土取利行さん


エリック・マリア・クテュリエさん

エリック・マリア・クテュリエさん


 海岸寺がある白方地区は弘法大師空海の母・玉依(たまより)御前ゆかりの地と伝わり、土取さんは多くの人に同地区について知ってもらおうと活動を展開。昨年11月には同寺で空海の出家宣言の書物「三教指帰(さんごうしいき)」を題材にした戯曲を上演した。「玉依御前の伝承が残る白方は地域の誇り。周辺の環境を大切にしてほしい」と思いを語る。
 海岸寺によると、大師堂は「弘法大師産屋跡」と伝わる場所にあり、今の建物は1927年に建立されたが、4年前にはシロアリ被害で一部が倒壊したほか、現在は雨漏りするなど修復が急がれるという。土取さんは同寺に関わる中で現状を知り、コンサート収益の寄付を発案した。
 公演は歌手の松田美緒さんも加わり2部構成。前半はフランスの現代音楽集団「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」のチェロ奏者クテュリエさんと松田さんのソロのステージ。後半は土取さんとクテュリエさんがサヌカイトとチェロのセッションを繰り広げ、日本の古代石と西洋の弦楽器を共鳴させる。
 会場は第1小ホール。開演時間は午後7時。入場料は一般5500円(前売り券5千円)ほか。問い合わせはコミュニティー応援プランニング〈090-4503-0524〉。


(四国新聞・2024/04/14掲載)



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