古民家などを展示する四国民家博物館の「四国村ミウゼアム」(香川県高松市屋島中町)に、世界的彫刻家・故流政之さんの作品3点が新たに設置された。施設のリニューアル2周年を記念したもので、13日にお披露目式を開催。関係者は新たな作品の設置を祝うとともに、同所のさらなる発展を願った。


「恋のまつげ」の除幕を行った加藤理事長(左端)ら=香川県高松市屋島中町、四国村ミウゼアム

「恋のまつげ」の除幕を行った加藤理事長(左端)ら=香川県高松市屋島中町、四国村ミウゼアム


 四国村ミウゼアムは四国の古民家や作業小屋などを移築・展示する屋外博物館として1976年に開館。2022年にチケット売り場やミュージアムショップが入るエントランス棟「おやねさん」を新設するなどリニューアルを行った。
 流さんは開館に際し、「流れ坂」や「染が滝」といった作品を制作するなど、四国村と深い関わりを持っていた。リニューアル2周年にあたり、記念としてゆかりの深い流さんの作品を新たに展示することが決まった。


おやねさんの2階で展示している「雲の砦」

おやねさんの2階で展示している「雲の砦」


 お目見えしたのは1990年制作の「恋のまつげ」(高さ32センチ、幅37センチ、奥行き31センチ)、流さんの代表作で98年制作の「ながれバチ」(高さ137・3センチ、幅54センチ、奥行き24・3センチ)、米中枢同時テロで崩壊したニューヨークの世界貿易センタービル広場にも設置された「雲の砦(とりで)」のミニサイズ(高さ16・4センチ、幅40・8センチ、奥行き20・8センチ)の3点。いずれも御影石でできており、恋のまつげとながれバチは四国村ギャラリーに隣接する水景庭園、雲の砦はおやねさん2階のライブラリーに設置されている。


水景庭園に設置された「ながれバチ」

水景庭園に設置された「ながれバチ」


 式典は恋のまつげ前で行われ、池田知事や大西高松市長ら約50人が出席。四国民家博物館の加藤英輔理事長は「四国村は流さんのアイデアが盛り込まれたユニークな博物館になった。これからも皆さまに愛され、親しまれる施設を目指していきたい」とあいさつ。その後、除幕を行い、新たな作品をお披露目した。

(四国新聞・2024/04/14掲載)


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