幼児をモチーフにした「ぼうや」シリーズなどを手がけるアーティストのミズカ=香川県丸亀市出身=の個展「初音(はつね)」が、香川県高松市庵治町の歯ART美術館で開かれている。「大人の心の片隅にいる子どもの部分」を表現した「ぼうや」の立体造形や壁画、アニメーションが並び、心温まるひとときが生まれている。5月31日まで。


「ぼうや」シリーズの立体造形や紙すき作品を並べた個展=高松市庵治町、歯ART美術館


 ミズカは作家活動の傍ら、芸術士としてアートを通じた自己表現の楽しさを県内の幼稚園や保育所などで伝えている。「ぼうや」シリーズと併せて、草木染めした紙をすいて偶然生まれた形を生かす「紙すき」作品も展開している。
 今展では、石粉粘土で造形した「ぼうや」の立体作品やアニメーション映像など約40点を紹介。水色の髪をした幼児が体育座りをした姿が印象的な手のひらサイズの立体作品は、見た目の愛らしさとは逆に、喜怒哀楽のない表情がどこか寂しげにも思える。
 また、歯や雲、タワーなどに変身した「ぼうや」を生き生きと描いた壁画(縦約2.5メートル、横7.5メートル)は、来館者のアイデアをもとに会期中に仕上げていくスタイル。ミズカは「作品を見て大人だからこそ抱く感情を楽しんでもらえれば」と話している。
 入場料は一般600円ほか。4、5日はワークショップを開催(有料)。問い合わせは歯ART美術館、電話087-871-0666。

(四国新聞・2024/04/25掲載)



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