栗林公園で23年ぶり「薪能」 10月、150周年プレイベント 人間国宝ら豪華顔ぶれ
国の特別名勝・栗林公園(香川県高松市栗林町)で今秋、重要無形文化財保持者(人間国宝)の茂山七五三さん、大倉源次郎さんらを迎えて「栗林公園薪能(たきぎのう)」が催されることが決まった。かつて藩主の下屋敷があった商工奨励館西側の檜御殿跡(芝生広場)に紫雲山を背景とする野外の能舞台を設け、閉園後の静寂の中、歴代藩主もたしなんだ幽玄のひとときを演出する。
県、県観光協会が来年に迫った栗林公園開園150周年のプレイベントとして企画。同公園での薪能の公演は2001年以来23年ぶり。
公演は10月3日午後6時開演。狂言の「萩大名」と能の「羽衣」「八島」を予定している。23年度に人間国宝に認定された狂言の茂山さんは萩大名の大名、能囃子方小鼓(のうはやしかたこつづみ)の第一人者の大倉さんは能の両演目で小鼓を担当する。高松市出身の能楽師・伶以野(レイヤー)陽子さんが「羽衣」でシテ(主役)を務める。
チケット販売などの情報は5月中旬に公表する。座席数は800席の予定。同公園観光事務所は「人間国宝ら豪華な顔ぶれの薪能を大名庭園の歴史情緒あふれる雰囲気の中で楽しんでもらえれば」としている。
栗林公園は江戸時代、高松藩4代藩主の生駒高俊が下屋敷(別荘)を造営し、「栗林荘」と名付けた。その後、作庭は松平家高松藩主にも引き継がれ、版籍奉還で明治政府の所有に移った後、1875年(明治8年)に「栗林公園」として一般公開された。
(四国新聞・2024/04/25掲載)