香川県小豆郡小豆島町坂手の坂手港前にある古い海運事務所を改装し、地元住民や観光客らが集える交流拠点が27日にオープンする。カフェを設けて食事などをゆっくり楽しんでもらうほか、将来的には地元産品などを活用した交流イベントを開催する予定。関係者は「坂手地区は高松や神戸と航路で結ばれている小豆島の重要な観光窓口。気軽に集まれる場所をつくることで、島全体の活性化につなげていきたい」と意気込んでいる。


神戸市の起業家が住民や観光客の交流拠点として海運会社の事務所を改装した「iineカフェ&事務所」。27日にオープンする=小豆島町坂手


 交流拠点を運営するのは神戸市で人材教育会社などを手がける清水久実子さん(62)。仕事の関係で10年以上前から小豆島を訪れる機会が多くあり、山と海が織りなす美しい風景や地域住民の温かい人柄に触れ、島で何かできないか考えていた。住民から「食事をする店が次々になくなっている」などの声を聞き、まちの元気を取り戻そうと、坂手港前にカフェなどの開設を決意した。
 施設名は「iine(イイネ)カフェ&事務所」。使われなくなっていた木造平屋約140平方メートルの海運会社の建物を借り受け、昨夏から約8カ月かけて改装した。店舗内のテーブルや椅子などは地元住民らが持ち寄った。


地元住民らが持ち寄ったテーブルや椅子を並べた店内。カレーやコーヒーなどを味わえるほか、将来的には交流イベントも開催していく


 カフェを含む施設の運営は、清水さんや地元住民、香川大学の学生有志らが交代で担当する。目玉となるメニューとして、インドのスパイス専門会社と連携したオリジナルのチキンカレー、キーマカレー(各千円)のほか、本格的なドリップコーヒー(400円)を準備。地元で「ちゃぼだんご」と呼ばれるサンキライの葉で包んだ餅(ドリンクとセットで600円)、地元で醸造したビールや日本酒なども提供する。
 清水さんは「来年には大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭が開かれる。小豆島の魅力を国内外の大勢の人に楽しんでもらえるお手伝いができれば」と話している。
 営業は土日・祝日の午前7時半~午後3時。問い合わせはメールで同施設〈hattori@iineiine.co.jp〉。

(四国新聞・2024/04/25掲載)



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