サイアノタイプ(日光写真)と呼ばれる写真の古典技法を用いた作品展が、香川県高松市上林町の大西・アオイ記念館で開かれている。写真家Yuka Mizuharaさん(26)ら同市の作家3人の合同作品展。青と白色のコントラストで春の植物を写し出した新作54点が並び、まるで森を思わせる空間が広がっている。29日まで。



 サイアノタイプは感光液と日光を使って印画する19世紀の写真技法。画用紙などに感光液を塗り、日光が当たった部分が青色に発色する一方、植物などを置いた部分は白く浮かび上がる仕組み。近年Mizuharaさんが取り組んでおり、今回は画家の河西紀亮さん(27)と美術家の谷崎拓也さん(33)も制作した。
 会場で目を引くのは天井からつり下げた長さ3メートル、幅90センチの3人の合作。青色に染まった背景にシダ植物やササなどが白く浮かび上がり、幻想的な森の風景を表現している。ほかにも、チョウや鳥の写真の切り抜きを使って絵画のように仕上げた作品も並ぶ。
 また、満濃中美術部の生徒がサイアノタイプの技法で作ったランプシェードも展示した。Mizuharaさんは「青い森の中でリラックスしてほしい」と話している。

(四国新聞・2024/04/26掲載)



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