能登半島地震の復興をテーマにした写真展が、香川県高松市上福岡町の讃岐漆芸美術館で開かれている。同市のアマチュア写真家松下博行さん(84)と高本晃さん(77)の企画。大きな被害を受けた街の様子を克明に記録した写真が並び、来場者に復興支援の必要性を訴えている。12日まで。


「写真を見て被災地に寄り添ってほしい」と話す松下さん=高松市上福岡町、讃岐漆芸美術館


 松下さんは1月の能登地震発生直後に開いた個展で募金を実施。集まった寄付金を「輪島市朝市組合」に届けるため、高本さんと一緒に3月23、24の2日間、石川県を訪れた。松下さんは「道路はガタガタで、街も家も壊れていた。もし自分が同じ状況になったらと思うと心が痛んだ」と振り返る。
 「能登大震災復興支援写真展」と題した今展では、輪島市と珠洲市を中心に2日間で撮影した23点を展示。中でも大規模な火災が発生した同市の観光名所「朝市通り」は、松下さんが数年前に撮影で訪れた思い出の場所といい、写真からは大量のがれきが残されたままの悲惨な状況が見て取れる。
 一方「頑張ろう朝市」は金沢市で出張開催された輪島伝統の朝市を写した一枚で、再起を願って気勢を上げる商店主らの決意に満ちた表情が印象的。ほかにも地震で大きく崩れた木造住宅や、一時避難所の高齢者を捉えた写真が並ぶ。


地震による大きな被害を伝える一枚


 会場には募金箱を設置したほか、売り上げを全て被災地に寄付するガラスのアクセサリーも販売している。松下さんは「一刻も早い支援が必要。写真を見て被災地に寄り添う気持ちを持ってほしい」と話している。
 入場無料。問い合わせは讃岐漆芸美術館、電話087-802-2010。

(四国新聞・2024/05/03掲載)



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