香川県高松市の演出家・蓮井玄雄さんが主宰する劇団「玄」のミュージカル「老婆の休日」が25日、高松市玉藻町のレクザムホールで開かれる。2作目となる今回は老人ホームが舞台。入居者の高齢女性が不思議な体験を通じて輝く姿を、リズミカルなダンスとともに描き出す。


本番さながらの練習を繰り広げる劇団員=高松市


 「玄」は長年舞台制作に取り組んできた蓮井さんが2022年に結成。今回は会社員や主婦ら県内の19~71歳が出演する。テーマについて蓮井さんは「老人ホームの入居者に夢や生きがいを持ってもらおうと考えた。出演者は仕事の傍ら歌やダンスに挑戦している人ばかりで、その姿に勇気をもらってほしい」と語る。
 物語の主人公は高松の老人ホームに入居してきた82歳の昌枝。内気な性格から周囲になじめなかったが、デイサービスでダンスを指導する介護士に心を寄せる。ある夜、昌枝が鏡に向かって祈ると信じられない奇跡が起こり…。
 見どころの一つがダンスシーン。ブギのリズムを意識した音楽に合わせて心躍るステップを繰り広げる。出演者は役作りのため事前に高松市の施設を見学しており、入居者がカラオケを楽しむ様子や職員が働く姿など、老人ホームの日常を生き生きと演じる。
 主人公の昌枝役は2人が担当。栗原みきさん(58)=善通寺市=は「すてきな奇跡が起きる物語。もし自分が主人公だったらどうするかワクワクしながら見て」と意気込み。星野あや子さん(64)=高松市=は「地味だったおばあちゃんが自信を深めていく姿を楽しんでほしい」と話している。
 午後2時開演。入場料は3千円。問い合わせは劇団「玄」事務局、電話087-843-5470。

(四国新聞・2024/05/10掲載)



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