香川県小豆島の寒霞渓で、日当たりの良い岩場に生育する「イワガサ」が見頃を迎えている。四望頂(しぼうちょう)展望台周辺の遊歩道沿いでは、直径7ミリ前後の白い花が初夏の日差しを受けて輝き、鮮やかな新緑とともに、訪れた観光客らの視線を集めている。


初夏の日差しを受け、新緑の中で輝くイワガサの白い花=小豆島町、寒霞渓


 イワガサはバラ科の落葉低木で高さは2メートル程度。新しい枝の先に房のように多くの白い花を付けるのが特徴で、花の形を傘に見立て、岩場に生えることから「岩傘」という和名が付けられた。本州の近畿地方以西と四国、九州に分布するが、県内で自生しているのは小豆島だけという。
 「寒霞渓ロープウェイ」の運行会社によると、花は今月5日ごろに咲き始め、現在は七分咲き程度。東京から友人と訪れていた小野寺愛さん(26)は「小さな白い花が日差しに向かって一生懸命に開いている様子が愛らしい。初めて見るけれど懐かしさも感じる」と笑顔で話していた。
 花は今月いっぱい楽しめるという。

(四国新聞・2024/05/15掲載)



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