香川県丸亀市一番丁の丸亀城三の丸にある延寿閣別館で宿泊客を受け入れる「城泊」の予約受け付けが今月から始まったことを受け、市と市観光協会は21日、同館東側敷地でオープニングセレモニーを開催した。7月にスタートする城泊の成功を願ってテープカットなどを行ったほか、同館の内覧会も実施。市のシンボルを広くPRし、多くの宿泊客を迎えることに期待を寄せた。


城泊で宿泊場所として用いられる延寿閣別館。入り口には京極家の家紋・四つ目結紋ののれんがかかる=香川県丸亀市一番丁

城泊で宿泊場所として用いられる延寿閣別館。入り口には京極家の家紋・四つ目結紋ののれんがかかる=香川県丸亀市一番丁


 セレモニーには市や県、文化財関係者ら約70人が出席した。松永市長は「満足度の高い城泊の運用に努め、丸亀ならではの滞在型観光を推進していきたい」とあいさつ。来賓の池田知事は「市民らの力でますます丸亀城の価値を高め、魅力を世界に発信してほしい」と呼びかけた。
 知事や市長らによるテープカットに続き、同館内覧会も行った。丸亀藩主家・京極家の邸宅だった同館は木造平屋建てで、敷地面積約120平方メートル。南方に飯野山(讃岐富士)など丸亀平野が広がる絶景を一望できる。昨年6月から今年2月にかけ、耐震化などの改修工事を行った。
 館内の15畳の「主座敷」にはテーブルやソファを設置しており、床の間に同藩中興の祖といわれる京極高朗直筆の掛け軸がある。10畳の「次の間」は寝室として活用する。讃岐漆器や讃岐かがり手まり、保多織など、調度品として県の伝統工芸品が備えられ、香川らしさを満喫できる。


延寿閣別館内覧会。次の間はベッドが備えられ、寝室として活用される

延寿閣別館内覧会。次の間はベッドが備えられ、寝室として活用される


 城泊は7月1日から宿泊客を受け入れることとし、専用ホームページを立ち上げて5月1日から予約を受け付けている。同協会によると21日午前現在、まだ予約には至っていないものの国内外から7件の問い合わせがあり、うち4件で成約に向けて調整を進めているという。
 城泊の料金は1泊2日、2人利用の基本パッケージで126万5千円。6月21~23日の3日間、各日午前と午後の2回に分けて同館の外周を巡る一般見学会を開く。参加無料。

(四国新聞・2024/05/22掲載)



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