世界最大級の両生類・オオサンショウウオの交雑種が、香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁の四国水族館で展示されている。水の中で丸みを帯びた「キモカワイイ」体を寄せ合う様子が、来館者の注目を集めている。


研究者から譲り受けたオオサンショウウオの交雑種

研究者から譲り受けたオオサンショウウオの交雑種


 展示されているのは、サンショウウオ研究家の西川完途京都大大学院教授が、三重県内の研究施設で飼育していたものを4月下旬に譲り受けた交雑種の成体10匹。同館での展示は初めて。
 体長80~100センチで体重4キロ前後。黒や黄みがかったグレーなど、体の色は個体によりまちまち。カワムツやウグイなどとともに淡水ゾーン「渓流の景」で展示しており、夜行性のため日中は水中の日陰の部分で固まって団子状態になっていることが多い。
 日本には、西日本を中心に国の特別天然記念物のオオサンショウウオが生息している。ところが1970年代以降、中国から持ち込まれたチュウゴクオオサンショウウオが逃げ出すなどして野生化し、オオサンショウウオと交雑することが種の保存などの面で問題となっている。
 同館は「外来種のため日本の固有種が減るなど、生態系に大きな影響を与えている。交雑種を見て、生物の飼育などについて考えてほしい」と呼びかけている。

(四国新聞・2024/05/30掲載)


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