文豪の青春時代に焦点 菊池寛記念館コレクション展 16日まで
同人誌「第4次新思潮」を創刊した菊池寛や芥川龍之介ら5人の青春時代にスポットを当てたコレクション展が香川県高松市昭和町の菊池寛記念館で開かれている。彼らの人となりや同人誌への熱い思いがうかがえる書簡などが並び、文豪たちを身近に感じられる。16日まで。
第4次新思潮は現在の東京大教養学部に当たる第一高等学校の生徒だった寛と、同級生の芥川龍之介、久米正雄、松岡譲、成瀬正一の5人が1916年2月に創刊。17年3月までに全11冊を刊行し、芥川の短編小説「鼻」や寛の代表作「父帰る」など名作が生まれた。
創刊号を読んだ夏目漱石が芥川に宛てた書簡を紹介するパネルには、「(芥川の作品は)文章が要領を得てよく整っています。文壇で類のない作家になれます」と激励の言葉が並び、芥川は大いに自信を得たという。
このほか、漱石の娘・筆子をめぐる松岡と久米の「恋愛事件」や、厳しい金銭事情の中、同誌を発行していたことが分かるパネルなどもある。
同展は研究閲覧室と常設展示室で開催、常設展示室は要入場料(一般300円ほか)。問い合わせは同館、電話087-861-4502。
(四国新聞・2024/06/06掲載)