農業経営高校(香川県綾歌郡綾川町北)はワイン工場「さぬきワイナリー」(香川県さぬき市小田)とのコラボ企画第2弾として、「柿ワイン 主基の恵み」を開発した。傷果などで廃棄していた柿を活用しており、SDGs(持続可能な開発目標)にもつながる取り組み。8日には同ワイナリーで販売会を開催する。


農業経営高で栽培する次郎柿。11月下旬になると黄色く色づき、重さ300グラムほどに成長する=綾川町北

農業経営高で栽培する次郎柿。11月下旬になると黄色く色づき、重さ300グラムほどに成長する=綾川町北


 同校では果樹専攻の3年生が中心となり、校内約70アールの栽培地で富有や愛宕、太秋などさまざまな品種の柿を栽培している。今回、ワインの素材に使った次郎柿は、果頂部に十字状の割れが入る果頂裂果や、へたと実の間の隙間が生じやすく、800キロ前後の収穫量のうち半分ほどが販売できないという。
 同校では生産した農作物を加工し、販売まで手がける「6次産業化」の学習の一環で2022年、販売規格外のイチゴを使ったワインを同ワイナリーで醸造、販売し、好評を博した。これまで廃棄していた規格外の柿も、イチゴと同様に活用できないかとワイナリーに相談したところ、商品化に快諾を得た。
 今回、次郎柿計約350キロを持ち込み、250本のワインが完成。甘口ながら柿の苦みもある新しいテイストのワインに仕上がった。今年の同専攻3年生8人がラベルデザインや商品名の考案で商品化に務めた。ワインは500ミリリットル入りで、価格は1320円。


農業経営高の次郎柿を使って醸造した「柿ワイン 主基の恵み」

農業経営高の次郎柿を使って醸造した「柿ワイン 主基の恵み」


 3年の広瀬優一さん(17)は「柿は害虫が付いたり病気が出たりと、世話が大変な作物。頑張って育てた柿のおいしさを知ってもらいたい」と販売に向け充実した表情。滝口彪牙(ひゅうが)さん(17)は「柿ワインをきっかけに農業経営高校の活動や農業に関心を持ってもらえればうれしい」と話した。
 柿ワインの販売会は8日午前9時~正午で、同専攻の3年生も会場に駆けつける。今後は、同校のミカンや梅を素材にしたワインの商品化も検討している。

(四国新聞・2024/06/07掲載)



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