香川県高松市屋島中町の四国村ミウゼアム内にある四国村ギャラリーで、絵画展「国立公園に魅せられて」が開かれている。日本画壇を代表する画家たちが昭和初期から戦後にかけて描いた国立公園の風景画を展示。来場者は瀬戸内海の夕景を活写した作品など、穏やかな自然を捉えた名品を楽しんでいる。30日まで。


藤島武二の「屋島よりの展望」など、国立公園の美しい自然を描いた作品が並ぶ=高松市屋島中町、四国村ギャラリー

藤島武二の「屋島よりの展望」など、国立公園の美しい自然を描いた作品が並ぶ=高松市屋島中町、四国村ギャラリー


 瀬戸内海国立公園指定90周年を記念し、四国民家博物館が企画。日本洋画界の重鎮だった藤島武二(1867~1943年)の作品「屋島よりの展望」をはじめ、瀬戸内海国立公園を描いた作品を中心に計22点を紹介している。
 「屋島よりの展望」は夕暮れ時の高松市街を俯瞰(ふかん)した構図で、遠景には闇に包まれようとする五色台などが描かれている。高松港から手前の海岸線には、現在は失われた塩田が広がる。藤島は国立公園の候補地になった瀬戸内海を1932年に視察し、屋島山上に約40日間滞在し作品を制作したという。
 このほか、小豆島町在住だった洋画家、神下雄吉(1934~2017年)の作品で、色鮮やかに染まる山と遠景の海が特徴的な「寒霞渓紅葉」なども並んでいる。
 観覧するには同施設の入場料(大人1600円ほか)が必要。開館時間は午前9時半~午後4時半。火曜休館。問い合わせは四国村ミウゼアム〈087-843-3111〉。

(四国新聞・2024/06/19掲載)


四国村ミウゼアム



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