特急内からタクシー手配 JR四国 6駅対象に実証実験
JR四国(香川県高松市)は、タクシー配車システム開発の電脳交通(徳島市)と共同で、特急列車内から降車駅で乗るタクシーを事前に手配できる新サービスの実証実験を24日から行う。香川、愛媛両県で停車する6駅が対象。利用者はスマートフォンで列車内のQRコードを読み込み、専用ページから地元タクシー事業者の車両を予約する。ドライバー不足の中で円滑な乗り継ぎを目指す取り組みで、今後、四国全域での事業化を検討する。
JR四国によると、新型コロナウイルス下からの経済回復や訪日客の増加、人手不足などを受け、降車駅でタクシーがつかまらないという状態が管内でも顕在化している。電脳交通には昨年3月、公共交通ネットワークの構築に向けた出資を行っており、両社の連携は初めてとなる。
実証実験は予讃線の特急「しおかぜ」「いしづち」などを利用し、宇多津、丸亀、多度津、愛媛県の川之江、伊予三島、今治の6駅で降りる乗客が対象で、24日から11月30日までの約5カ月間実施する。
サービスでは、降車時間の15分前までに列車の座席後部に掲示されたQRコードを読み取り、専用ページで氏名や電話番号の入力、列車名や降車駅の選択を行う。その後、電脳交通や協力するタクシー事業者が手配し、申込者のスマホに配車可否の通知が届く。このサービスによる追加料金は発生しないという。
協力事業者はいずれも電脳交通の配車システムを導入しており、県内3駅は大和タクシー(坂出市)、ブリュータクシー(丸亀市)、多度津タクシー(多度津町)の3社が対応する。
JR四国によると、地方ではタクシー配車アプリの導入が進んでおらず、実証実験を通して、新しいビジネスモデルの在り方を模索する。同社の担当者は「観光に限らず、ビジネス利用や普段使いなどのニーズも把握し、継続的な事業となるか検証していきたい」としている。
(四国新聞・2024/06/20掲載)