江戸時代の高松藩で教育や学問が盛んであったことを紹介する展示「学ぶ高松藩―講堂館と考信閣―」が、香川県高松市玉藻町の県立ミュージアムで開かれている。高松藩主の松平家が学びの場の整備に注力し、藩主自身も学問に関心が高かったことを示す史料が並び、来場者は興味深そうに見入っている。7月15日まで。


教育や学問が盛んであった高松藩を紹介する史料に見入る来場者=高松市玉藻町、県立ミュージアム

教育や学問が盛んであった高松藩を紹介する史料に見入る来場者=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 松平家は水戸徳川家の分家で、家格が高かったことなどから歴史や文芸に親しむ機会が多かったとみられる。同展では当時の様子が分かる書籍や掛け軸など35件354点が3章構成で展示されている。
 第1章では江戸時代初期、武士らが通った藩校「講堂」が高松城下に四国で初めて設置されたことを紹介。その後、規模を拡張した「講堂館」となり、その全体像が分かる貴重な図が並んでいる。
 第2章は、歴代の藩主が学問に幅広く関心があった姿を解説。初代頼重が詠んだ和歌や、儒教の勉強に熱心だった2代頼常が将軍の徳川綱吉に認められたことを示す書、5代頼恭(よりたか)が植物や魚などの博物学を研究していたことを記した史料が確認できる。
 第3章は9代頼恕(よりひろ)が歴史書の編さんに取り組む史局「考信閣」を立ち上げたことを取り上げている。初期稿には頼恕が執筆したと記載があり、藩主自ら積極的に編さんに関わっていた様子が分かる。
 観覧料は一般410円ほか。開館時間は午前9時~午後5時。毎週月曜と6月21~26日が休館。

(四国新聞・2024/06/20掲載)


香川県立ミュージアム



関連情報