心揺さぶるリアルな舞台 劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター」 9月1日 高松・レクザムホール
劇団四季の創立70周年を記念したミュージカル公演「ジーザス・クライスト=スーパースター エルサレム・バージョン」(四国新聞社など主催)が9月1日、香川県高松市玉藻町のレクザムホール大ホールで開かれる。イエス・キリストが十字架にかけられるまでの7日間を描く同劇団の代表作。リアリズムを追求した演出とロック調の旋律で心揺さぶる人間ドラマを描き出す。
同作は「キャッツ」「オペラ座の怪人」の作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーと、「ライオンキング」の作詞家ティム・ライスの出世作。キリストを一人の苦悩する若者として描き、当時の演劇界に衝撃を与えた。エルサレム・バージョンは劇団四季の創設者故浅利慶太の独創的な演出によって1976年に初演され、芸術選奨文部大臣賞を受賞した。同作品の高松公演は10年ぶりとなる。
物語の舞台は約2千年前、ローマ帝国が支配するパレスチナ。圧政に苦しむ民衆の前に現れた青年ジーザスは、救世主としての期待と己の無力さの狭間で苦悩する。周囲の愛や権力者の思惑、民衆の心が交錯する中、使徒ユダの裏切りが歴史の波を動かしていく―。
今回のエルサレム・バージョンは、イスラエルの荒野を急傾斜の舞台で再現。あらゆる装飾を削り、リアリズム美を追求した演出が見どころ。一方で楽曲はポップなものが多く、予備知識がなくても作品の世界に浸れそうだ。同劇団は「上演のたびに熱烈な支持を得てきた魂の舞台。ぜひご堪能ください」としている。
午後5時半開演。入場料はS席1万円ほか。問い合わせは劇団四季全国営業部、電話0570-008-110。
(四国新聞・2024/07/08掲載)