昭和初期に香川県高松市仏生山町から塩江温泉郷までを結ぶ塩江温泉鉄道(ガソリンカー)が運行していたことにちなんで、同市塩江町の塩江美術館が、敷地内に竹を使った“トンネル”を制作し、児童生徒らの絵を飾ってアート作品に仕上げる取り組みを進めている。同館は「塩江の自然や歴史を感じながら、人々が集う豊かな空間になれば」としている。


竹で作ったトンネルに児童らの作品を掲示していく塩江美術館の職員=高松市塩江町

竹で作ったトンネルに児童らの作品を掲示していく塩江美術館の職員=高松市塩江町


 同館の開館30周年を記念した取り組みで、同館のすぐそばをガソリンカーが走り、軌道だった区間には今もトンネルが残っていることから、トンネルをモチーフにしたアートの制作を企画。同館職員が約半月かけて、細長くカットした竹をアーチ状に組み上げ、高さ・幅約2・5メートル、長さ約20メートルのトンネルを完成させた。


塩江美術館に設けたガソリンカーのトンネルをモチーフにした作品

塩江美術館に設けたガソリンカーのトンネルをモチーフにした作品


 トンネルに飾る作品は、市内外の小中学校など十数校に協力を依頼。このうち地元の塩江小学校(谷口弓恵校長)では全校児童45人が作品作りに挑戦し、れんがに見立てたクラフト紙(縦約8センチ、横約20センチ)に、塩江の自然や名所、特産品のほか、児童が考案した塩江をPRするオリジナルキャラクターなどを思い思いに描いた。
 同館によると、寄せられた作品は順次、ラミネート加工を施し、トンネルの内側にれんがを積むように掲示している。10月下旬まで一般からの作品も広く募っており、同館や塩江支所などに作品作りのコーナーを設置している。トンネルの展示は12月末まで。
 問い合わせは塩江美術館、電話087-893-1800。

(四国新聞・2024/07/09掲載)


塩江美術館



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