ベートーベンの代表曲を年代順に取り上げる「高松ベートーヴェン記念祭 傑作の森へ」が15日、香川県高松市玉藻町のレクザムホール小ホールで開かれる。1808年に初演されたコンサートと同じプログラムを再現。第5番(運命)、第6番「田園」の2大交響曲を中心に披露し、楽聖の革新的な挑戦と当時の情景に迫る。


本番に向けて練習に励む高松コンテンポラリーソロイスツのメンバー=高松市

本番に向けて練習に励む高松コンテンポラリーソロイスツのメンバー=高松市


 高松ベートーヴェン記念祭実行委が主管。ピアノは高吉彩加と岡田知子。管弦楽は高松コンテンポラリーソロイスツ。合唱はコレギウム・ムジクム高松。
 同記念祭はベートーベン生誕250年の2020年から没後200年に当たる27年までの8年間に、九つの交響曲と主要な協奏曲を全て演奏することを目指している。ベートーベンは新曲の初演前に極小編成オーケストラで試演を行っていたとされ、コンサートはそれと同規模で演奏するのが特徴。
 今回のプログラムは、難聴に向き合ったベートーベンが名曲を量産した1804~14年の「傑作の森」と呼ばれる黄金期に作り上げた4曲。怒濤(どとう)の旋律を凝縮した「運命」と、開放感のある自然描写が表れた「田園」は、対極的な性格を持ちながらも曲の構造や楽器編成などに類似点が多く、ベートーベンの英知に富んだ壮大な音色が聴きどころという。
 このほか、「ピアノ協奏曲第4番」と「第九」のプロトタイプとされる「合唱幻想曲」を取り上げ、後世に影響を与えた傑作を取り上げる。08年に初演したコンサートではアクシデントが多発し演奏時間が4時間にも及んだと伝わるが、音楽監督・指揮を務める大山晃は「当時の聴衆に思いをはせながら、絶対音楽の頂点を味わってもらいたい」と来場を呼びかけている。
 アーツフェスタたかまつ2024の主催事業。午後2時開演。入場料は一般2500円(前売り2千円)ほか。問い合わせは大山、電話090-9454-9932。

(四国新聞・2024/07/11掲載)


レクザムホール



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