香川県高松市のペインター・Juno Mizobuchi(31)の個展「Viewing and Walking 鑑賞とさんぽ」が、同市庵治町の歯ART美術館で開かれている。風景やモノを色や形、線に変化させた色彩豊かな平面作品が並び、鑑賞者の想像をかき立てている。26日まで。


「普段意識しない物の見方で鑑賞して」と話すJuno=高松市庵治町、歯ART美術館

「普段意識しない物の見方で鑑賞して」と話すJuno=高松市庵治町、歯ART美術館


 Junoは同市出身。京都精華大デザイン学部を卒業後、東京で個展やグループ展を開催した。新型コロナウイルス禍を一つのきっかけに2021年に帰郷し、現在は作家の傍ら中学の美術講師を務めるなど精力的に活動している。
 今展では、これまで見てきた風景のイメージや記憶を抽象的に表現したアクリル画約20点(19~23年)を展示。海や街といった直接的なモチーフはなく、積み木や流木などの立体物を一つの存在としてさまざまな角度から俯瞰(ふかん)し、それを色や形、線や空間への配置に変えて表現することで多様な物の見方を提示しているという。
 会場には、すごろくのように線をつないだ作品をはじめ、重ねた積み木や流木を横から見て描いたというカラフルな作品が並ぶ。これまで自分が見てきた記憶をもとに鑑賞することで、より想像が膨らみそうだ。Junoは「普段意識しない物の見方をして、価値観が変わるような体験になれば」と話している。
 入場料は一般600円ほか。問い合わせは歯ART美術館、電話087-871-0666。

(四国新聞・2024/07/11掲載)


歯ART美術館



関連情報