国内最大級の文学作品展示即売会「文学フリマ香川1」が28日、サンポート高松のシンボルタワー1階展示場で開かれる。四国での開催は初めて。小説、詩歌、評論、児童文学、ノンフィクションなど多岐にわたるジャンルをプロアマ関係なく作り手自身が販売。求めていた運命の一冊と出会える場になるかもしれない。


5月にあった「文学フリマ東京38」の会場の様子(一般社団法人文学フリマ事務局提供)


 文学フリマは、評論家の大塚英志さんが呼びかけて2002年に始動。望月倫彦事務局代表ら有志が一般社団法人として文学フリマ事務局運営を引き継ぎ、これまで東京や名古屋、大阪、岩手など全国各地で通算93回行ってきた。
 今年は香川を含めた8都市で計9回開催予定。小説「おいしいごはんが食べられますように」で22年に芥川賞を受賞した作家の高瀬隼子さんも文学フリマで12年間活動するなど、新進の文学シーンをけん引するイベントとして知られている。
 今回はボランティア有志らでつくる「文学フリマ香川事務局」が主催。「四国でもっと文芸作品を披露する場を作ろう」といずれも高松市の会社員西原舞さんと藤井咲季さん2人が、文学フリマの開催を希望する地方を本部が支援する「文学フリマ百都市構想」を活用し、1年かけて準備に奔走してきた。
 会場は目安として小説、評論、ノンフィクション、詩歌の四つに分類。印刷会社や出版社をはじめ、大学サークルや個人などの142ブースが出店を予定しており、そのうち四国関係の出店は80ブースほどだという。
 西原さんは「ネット社会にはない、人と人の熱あるやりとりを楽しんでほしい」と来場を呼びかけ、望月代表は「プロ作家が出店してるから注目されるのではなく、年齢や立場関係なく目の前の文学にのめり込める社会づくりの一助にしたい」と話している。
 入場無料。問い合わせはホームページ〈https://bunfree.net/event/kagawa01〉。

(四国新聞・2024/0719掲載)


文学フリマ香川1



関連情報