見せ方工夫、誰もが楽しく 多度津高ミニ水族館 照明設置、高さ調整… 車いすにも対応
多度津高校(香川県仲多度郡多度津町栄町)の生物科学部が校内に開設しているミニ水族館で、ユニバーサルデザイン化が着々と進んでいる。子ども目線を重視し、視力が弱かったり車いすを利用したりしていても楽しめるよう展示方法を改善。善通寺支援学校(香川県善通寺市仙遊町)の児童が訪問した際は歓声を上げて楽しみ、生徒らは「喜んでもらえてうれしい」と笑みを浮かべた。
同校は、ミニ水族館で大小約90の水槽に100種類ほどの水生生物を飼育。偶数月の第2日曜日に一般公開しており、多くの来場者を集めている。
こうした中、同校は誰もが見学や体験をしやすくしようと、昨年から2年計画で、東京の公益財団の助成を受けて館内の見直しに着手。定期的に招いている同支援学校の協力を得て、部員が児童を案内して様子を観察したり、引率教諭らから意見を聞いたりして課題を洗い出してきた。
主な改善点は、視力が弱い児童でも生物がはっきりと見えるよう、水槽に照明を取り付けた上、高さも横一線になるよう調整。背丈が低かったり、車いす利用者を考慮して昇降台も導入した。
水槽に手を入れると、古い角質を食べてくれる人気魚「ドクターフィッシュ」の展示コーナーも刷新。車いすのまま近づけるよう水槽の形状を変え、水槽を置く台も空洞を設けた。水槽のデザインは生物科学部、水槽台の製作は同校機械科が担当した。
3日まで延べ5日間の日程でミニ水族館を訪れた同支援学校の児童は笑顔で館内を回り、ドクターフィッシュのコーナーでは水槽に何度も手を入れて大はしゃぎ。引率した山下吏華教諭は「要望に応えてくれてすごくありがたい」と感謝しきりだった。
今後も課題が見つかれば、可能な範囲で改善していく方針。
(四国新聞・2024/07/23掲載)