栄文学、風鈴の音に乗せ 二十四の瞳映画村
香川県小豆郡小豆島町田浦の二十四の瞳映画村内にある壺井栄文学館で企画展「風鈴と言葉の涼展」が開かれている。栄の作品名などを布に染め抜いた藍色、朱色の短冊が潮風に揺れ、澄んだ音色が観光客らに涼を運んでいる。31日まで。
短冊に書かれた栄の作品名などを見ながら、風鈴の涼やかな音色に耳を傾ける親子連れ＝香川県小豆郡小豆島町田浦、二十四の瞳映画村内の壺井栄文学館
同館は小豆島出身の作家壺井栄（1899～1967年）の自筆原稿や愛用品などを展示。栄文学の世界を夏休みの家族連れらに気軽に触れてもらおうと、2013年夏から毎年同展を開いている。栄の代表作「二十四の瞳」に登場する子どもたちの呼び名や小説、随筆のタイトルをろうで布に書き、ベンガラ泥染めで仕上げた短冊（縦25センチ、横6センチ）を付けた鉄製の風鈴計113個を、施設の内外につるしている。
夏の強い日差しの中、潮風を受けていくつもの風鈴が鳴り響くと周囲には涼感が漂う。
同展は入場無料だが、映画村の入村料として中学生以上千円、小学生500円が必要。
（四国新聞・2024/08/06掲載）