野生のニホンザル約300匹を餌付けしている香川県小豆郡土庄町肥土山の銚子渓自然動物園「お猿の国」で、二つある群れのうち約200匹を率いるA群のボス「団十郎」が交代した。高齢だった前ボスが行方不明となり、3番手だった「吉衛門」が2番手の「猿之助」を飛び越して24代目「団十郎」を襲名した。


A群のボスに昇格し、24代目「団十郎」を襲名したサル(手前)=土庄町肥土山、お猿の国

A群のボスに昇格し、24代目「団十郎」を襲名したサル(手前)=土庄町肥土山、お猿の国


 同園によると、前ボスは推定25歳(人間では80代半ば)。穏健派とされるA群を象徴するように、どのサルからも愛される穏やかな性格で、2016年1月から約8年半にわたって群れを束ねてきた。昨年10月から単独行動が増え、今年7月上旬からは夏バテ気味で元気がなく、同18日から姿が見えなくなった。
 襲名は今月2日付。新たにボスとなったサルは推定15、16歳(同30代半ば)で、性格は前ボスと同じく穏やか。子ザルや雌ザルからの人気が高く、前ボスと争っていた2番手「猿之助」もおとなしく引き下がっているという。
 同園によると、ボスは3、4年程度で交代するケースが一般的だが、前ボスは例外的に“長期政権”を築いた。飼育員は「(24代目団十郎は)周囲の面倒をしっかりと見て、先代に負けない立派なボスに成長してほしい」と見守っている。

(四国新聞・2024/08/08掲載)



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