絵本の世界 見て触れて 谷川俊太郎作品、空間で表現 高松市美術館・来月16日まで
詩人・谷川俊太郎の絵本を取り上げた企画展「谷川俊太郎 絵本☆百貨展」が香川県高松市紺屋町の市美術館で開かれている。8人のクリエイターが谷川の世界を映像やインスタレーション(空間作品)によって自由で感性豊かな作品に仕上げている。9月16日まで。
谷川は1960年代から200冊にもおよぶ絵本を手がけた。本展ではこのうち約20冊をピックアップした。
会場の入り口にあるのが「ことばあそびうた」のインスタレーション。昔遊び「ケンケンパ」のように、作品に登場する「かっぱ かっぱ らった」などの言葉を遊びながら体感できる。「おならのうた」を題材にした、オレンジ色のドームの中には原画が展示され、時折「ぷ」「ぼふっ」と音がする仕掛けも施されている。
新作の写真絵本「すきのあいうえお」の映像作品では、「あられ」「いるか」など谷川の好きなものを五十音順で紹介し、写真家の田附勝が日本各地を巡って撮影した写真を紹介。また、谷川の朗読に合わせて展開する映像が大きなスクリーンに映し出された作品もあり、独自の世界観に浸ることができる。
このほか「かないくん」「ぼく」「へいわとせんそう」といった戦争や平和をテーマにした作品の原画や絵本展示のコーナーでは、来場者に問いかける谷川の言葉が印象的だ。
入場料は一般1200円ほか。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。
(四国新聞・2024/08/15掲載)