「天然クーラー」に涼求め 綾川・高鉢風穴が人気
最高気温が35度を超える猛暑日が続く香川県綾歌郡綾川町で、高鉢風穴(同町西分)が人気の観光スポットになっている。真夏でも10度前後の気温を保つ「天然のクーラー」で、週末になると50組を超える観光客が涼を求めて訪れるという。
高鉢風穴は讃岐七富士の一つ高鉢山(標高512メートル)の中腹、標高370メートルの地点にあり、富岳風穴(山梨県)、秋芳洞風穴(山口県)とともに、日本三大風穴に数えられる。高鉢山の岩肌の隙間から入った風が山中を通り抜けるうちに冷やされ、冷風となって吹き出してくる仕組みで、古くから自然の冷蔵庫として蚕の卵や種子類などの保存場所として使用されてきた。
徳島県小松島市の男性(75)は「こんなに珍しい場所が近隣県にあると知らなかった。涼しくて驚いている」と話した。町から高鉢山周辺の景観管理などを任される住民グループ・地域わいわい大相クラブの山下幸夫さん(71)によると、週末などには順番待ちの列ができることも。「酷暑のためか、来場者数は例年以上ではないか。地元の大切な場所であり、マナーを守って楽しんでほしい」と呼びかけている。
(四国新聞・2024/08/23掲載)