時代駆けた女性の表現 高松市美、来月29日まで 芥川紗織を中心に
芥川(間所)紗織(1924~66年)ら女性美術家の作品を紹介するコレクション展「駆ける女たち」が香川県高松市紺屋町の市美術館で開かれている。時代を駆け抜けた女性たちの多彩な表現が楽しめる展示空間が広がっている。9月29日まで。
本展は、沙織の生誕100年に合わせ、所蔵する全国の美術館が作品を持ち寄り展示するプロジェクトの一環で開催。紗織に加え草間彌生や桂ゆきら同時代に活躍した作家のほか、同美術館が2016年以降、個展などで作品を展示した蜷川実花、橋爪彩ら20人の21点が並んでいる。
紗織は東京音楽学校(現・東京芸大)声楽部を卒業後、同窓の作曲家・芥川也寸志と結婚。也寸志が紗織が歌うのを嫌がったため音楽の道を断念し、50年代初頭から猪熊弦一郎らから油絵を学び、女性や神話をテーマにした作品でキャリアを積んでいった。
会場では、古事記のイザナギとイザナミの逸話を題材にした「神話・神々のタンジョウ」を展示。豊かな色調と奔放な線で描かれ、紗織の自由な想像力を感じさせる。また、草間彌生の「Airmail Accumulation」は手紙用の航空便ステッカーでキャンバス全体を埋め尽くした作品で、同一物が集積(Accumulation)し増殖していく様子が印象的。
蜷川実花による花の写真をアクリル板にプリントした「Acid Bloom」や、牛皮にオオカミを描いた鴻池朋子の「皮絵 オオカミ」などもあり、注目を集めている。
入場料は一般200円ほか。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。
(四国新聞・2024/08/29掲載)