漆の魅力に触れて 香川の女性作家が2人展 高松・16日まで
香川県漆芸研究所(香川県高松市)の修了生で漆芸家の浅野絵莉さん(同市)と山田果林さん(丸亀市)の2人展が、高松市丸亀町のまちのシューレ963で始まった。普段使いの器から特別な日を彩るアクセサリーまで幅広い漆の作品計約240点が並んでいる。16日まで。
浅野さんは東京芸大卒業後に同研究所を修了し、ドイツなど国内外で作品を発表。山田さんは京都造形芸大を経て同研究所で学び、県内外の作品展に出品している。2人展は研究所修了から約10年がたつことから、研さんの成果を披露しようと企画した。
浅野さんは香川漆芸の技法の一つ、彫漆(ちょうしつ)を使ったブローチやピアスなど約140点を出品。色漆を240回ほど塗り重ねた鮮やかな色の層が特徴で、優美な印象を醸し出している。山田さんは皿や箸、スプーンといった日常使いの食器を紹介。中でも小皿は色のバリエーションが豊富で、一点ごとに表情の違いが楽しめる。
13~15日は、同研究所の修了生で能登半島地震によって工房が被害を受けた輪島市の作家、篠原今日子さんを支援しようと、漆のアクセサリーを作るチャリティーワークショップを開催する。15日は篠原さんの手ほどきで蒔絵(まきえ)の体験ができる。いずれも参加費6600円で要予約。
2人は「地元作家が手がけた作品をぜひ手に取ってほしい。作品展を通じて能登の被災地にも思いをはせてもらえたら」と話している。
問い合わせは同会場、電話087-800-7888。
(四国新聞・2024/09/07掲載)