直島の「素顔」を活写 漂着物で作ったカメラで 直島・来月14日まで作品展
香川県直島町の『瀬戸内「□□□」資料館』(宮浦ギャラリー六区)で、直島に暮らす人々を写した「瀬戸内『漂泊家族』写真館」が開かれている。同館館長のアーティスト下道基行とマレーシアの文化活動家ジェフリー・リムが「流動性」をテーマに、漂着物の廃材で作ったカメラで撮影、等身大の島の姿を写し出している。10月14日まで。
同館は下道が瀬戸内の文化や歴史についてテーマを変更しながら展示を行う施設。「□□□」の中には展示テーマが表記される。本展では、転勤や移住で多くの人々が出入りする直島独自の「流動性」を写真などで表現した。
撮影で用いたカメラは、下道とリムが地元の小学生と浜辺で集めたブイや木片など漂流物を使って作成した。会場ではカメラと写真数十枚を展示。写真はモノクロで、家族4世代が集合した様子や、自転車で遊ぶ息子の横で笑顔を向ける女性の姿などが写っている。
被写体となった人と直島のつながりも文章で紹介し「穏やかな海に感動して移住し、島出身の夫と結婚した」「生まれも育ちも直島。町民同士が親戚みたいで心地いい」などとつづられている。
また、館内には写真スタジオを設営。開催期間中の土曜日には町民を対象に撮影を行っており、随時、写真を追加展示していく。下道は「島に住む人々の表情やストーリーが浮かび上がっている。直島の素顔を見に来て」と話している。入場料は一般520円ほか。問い合わせは福武財団、電話087-892-3754。
(四国新聞・2024/09/26掲載)