世界の持続可能な観光地を認証する国際団体「グリーン・デスティネーションズ」(GD、本部・オランダ)の2024年版の地域表彰制度で、香川県の小豆島(土庄町、小豆島町)が「シルバーアワード」を受賞した。四国では愛媛県大洲市と並んで初めてで、国内では昨年までの岩手県釜石市、北海道ニセコ町に次ぐ受賞。文化や伝統、社会福祉の分野で特に高い評価を得た。


シルバーアワードの表彰状を手にする(右から)大江小豆島町長、岡野土庄町長ら=香川県高松市、サンポートホール高松


 同制度「GDアワード」は16年に創設。将来的な経済や社会に配慮した観光振興など84項目の基準をどれだけ達成しているかを審査する。
 認証は基準を全て満たす最上位のほか、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4アワードがあり、このうちシルバー以上は小豆島を含めて世界で53地域しか選ばれていない。
 GDの認証では、小豆島町が21、22年に「世界の持続可能な観光地トップ100選」に選出されている。今回の基準は100選より数段厳しいが、土庄町や小豆島観光協会と連携して島全体での観光振興を強化し、77項目の基準を達成、または一部達成した。
 特に、国の重要無形民俗文化財に指定された「小豆島農村歌舞伎」をはじめとした文化財、土庄町の特別天然記念物「宝生院のシンパク」などについて明確な保存計画を策定していることや、住民・観光客に対する海岸美化活動の奨励などが高い評価を受けた。2自治体にまたがって認証を受けるのは国内初という。
 持続的な観光を支援する四国ツーリズム創造機構が8日、高松市で会見。出席した小豆島町の大江正彦町長は「来年は瀬戸内国際芸術祭や万博があり、今回の受賞が追い風になる」、土庄町の岡野能之町長は「認証を励みに、次世代へ美しい島を引き継いでいく取り組みを進める」と話した。

(四国新聞・2024/10/09掲載)


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