高松市美術館(香川県高松市紺屋町)の学芸員の仕事体験企画に参加した中学生が選んだ現代アートを紹介する「カラーダンシング?!―13歳が選んだ時をかけるアートたち」が同館で開かれている。生徒たちのみずみずしい感性と通ずるような、表現の自由さにあふれた作品が会場を彩っている。12月26日まで。


中学生が選んだ表現の自由さにあふれた作品を鑑賞する来場者=香川県高松市紺屋町、高松市美術館


 仕事体験企画は同館が2018年度から3年に1度開催。公募で集まった中学生が講座を受け、その集大成としてコレクション展を企画している。
 本年度は県内3校から7人が参加。作品展では同館収蔵の約1700点から選んだ19作家による28点を展示し、作品の解説文も中学生が手がけた。
 会場でひときわ目を引くのが奈良美智の約2・6メートル四方の大作「Milky Lake」。ミルクに腰までつかっている少女が不思議な表情でこちらを見ている。中学生の解説文には「ゾクッとなるけど、少し温かくなる。そんな奈良の作品から目が離せません」とつづられている。
 宮永愛子の「ポスト ―景色」は、仏パリで使用されていた郵便受けに、ナフタリンという気化する素材でかたどった鍵が樹脂で封じ込められた作品。「宮永が言う、世界はいつも変わり続けていることが感じられます」という解説文が添えられていた。
 このほか、現代浮世絵師とも称される山口晃による、現実と空想の世界が入り交じった風景が描かれた「大山崎交通乃圖」や、キャンバスを虹色で埋めるレインボー・シリーズで知られる靉嘔の「アダムとイヴ」なども並んでいる。
 入場料は一般200円ほか。展示室2では香川漆芸の技法を作品とともに紹介する「讃岐漆芸の三技法」を開催中。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2024/10/17掲載)


高松市美術館



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